ある日、ある方のご紹介で80代のご婦人と50代のお嬢様が相談にいらっしゃいました。

先日、闘病の末亡くなった夫の葬儀をあるお寺でお願いしたのですが、当初の予定よりも多額のお布施をお願いされてしまい、とても困っているとのことです。

「相場額と言われている金額をお渡ししたのですが、“これでは足りない”と言われかなり高い金額を言われ本当に驚きました」

と不安そうな表情でお話しされていました。

葬儀後のただでさえ混乱されているところに寺の人間からそんなことを言われたら、本当にお辛いと思います。

もともと喪主様がその住職にお渡ししようとしていた金額は適正であること、それ以上請求されてもお渡しする必要がないことをお伝えしたところ、

「私たちは女性ですし、直接その住職にお話しして聞いてもらえるか不安です」

と喪主様がおっしゃるので、先方にご連絡する際のポイントをお伝えし、必要であればお話し合いに同席することもお申し出しました。

そこのお寺には今後のご供養のことはお任せしたくない、できれば当寺でお世話になりたいとご相談もいただいたので、お墓の手配や供養の進め方について、喪主様のご意向を大切にしながら、一つひとつ丁寧に対応することをお約束しました。

その後喪主様は問題を無事に解決され、今ではお墓参りのたびに私と一緒にお茶を飲みながら、亡きご主人との思い出話を聞かせてくださいます。

「住職さんに相談して本当に良かったです」と、安心した笑顔でおっしゃっていただけたことが、私にとっても何よりの励みとなりました。
これからも、困りごとを抱える方々に寄り添い、一人ひとりのお気持ちに応えられるよう努めてまいります。