先日、知人が私を訪ねてきて、友人の知人の家族で起きた葬儀のトラブルについて話してくれました。
「家族間で葬儀の進行や費用を巡る意見が対立して、雰囲気がとても険悪だったようです」と切り出されたその話は、家族の絆に影響を与える深刻な内容でした。
故人様のお子様が4人いらっしゃるとの事でしたが、それぞれが葬儀の内容や費用について異なる意見を持っていたとのことです。
一方では質素な葬儀でいいと考えるお子様、他方では盛大な送り出しを希望するお子様がいて、準備段階から意見がぶつかり合ってしまいました。
その結果、葬儀の準備はスムーズに進まず、当日も終始緊張感が漂い、他の参列者にも気まずい雰囲気が伝わるほどだったそうです。
「その影響で、葬儀後も兄弟間の関係が不穏なままで、この先の相続でも揉めるのではないかと心配しています」
と知人はため息交じりに話していました。
私はその話を聞きながら、故人を送り出す大切な場面が家族の分断を生む結果となってしまったことに心を痛めました。
葬儀は、故人を偲ぶとともに、家族が共に悲しみを分かち合い、新たな一歩を踏み出すきっかけとなるべきものです。しかし、意見の相違が解消されないままだと、その機会が失われ、さらに家族間の関係に溝が生まれてしまうことがあります。
この話を通じて、葬儀の準備段階で家族全員が冷静に話し合い、お互いの意見を尊重する大切さを改めて感じました。
私自身がもしこのような状況にあった時は、故人様をあたたかいお気持ちで皆さんで送り出すことの大事さ、ご家族の絆がいかに大事なのか、いい葬儀は金額で測るものではないという事をお伝えし、ご遺族様がご納得頂けるまでお話をすることを心がけております。
ご家族が共に悲しみを分かち合い、絆を深められるような環境づくりに、これからも力を尽くしていきたいと思います。