ある日、知人が深刻な表情で私のもとに相談に訪れました。「友人が戒名のことでとても困っていて…」と切り出されたお話は、私にとっても驚く内容でした。

知人の友人の祖父が亡くなり、葬儀を執り行った際のことです。遺族は事前に、「戒名は一番少ない文字数で良い」とその寺の住職に伝えていたそうです。しかし、その住職は、「戒名に多くの文字数をつけないと、故人があの世で不幸になる」「不遇な目に遭う」といったことを何度も口にし、喪主である祖母を強く説得したとのことです。

驚きと不安を感じた祖母は、故人があの世で不幸になってしまうのではないかと心配になり、最終的に一番高額な位号と多い文字数の戒名を選ぶことに決めてしまいました。その結果、戒名代として150万円を請求されることになり、知人の友人家族は大きな負担を抱えることになったそうです。

「どうしてこんなことになってしまったのか…」と知人は悔しそうに話していました。私もその話を聞きながら、ご遺族が感じたであろう不安や戸惑い、そして経済的な負担の大きさに心を痛めました。

戒名は本来、故人を偲び、その功徳を称えるためにつけられるものです。
そこに不必要な恐怖や負担を感じさせることがあってはならないと私は思います。

このようなトラブルが起きた背景には、戒名や葬儀に関する情報が十分に共有されていないことも一因であると感じました。
知人の話を受けて、私も戒名についての正しい知識を広める必要性を改めて感じました。故人を送り出す場面が、遺族にとって安心と慰めの時間となるよう、これからも力を尽くしていきたいと思っています。